3分で読む法句経|「失敗や過ちを反省する」のは「自分自身を苦しめない」ため

未消化のままフタをした「失敗の経験」が積み重なり、自分自身を苦しめる

翻訳原文

たとえ悪をなしたりとも

ふたたびこれを

なすことなかれ

悪のなかに

たのしみをもつなかれ

悪つもりなば

堪えがたき

くるしみとならん

(『法句経』117,友松圓諦訳・講談社学術文庫)

 

現代語訳

もし

過ちをおかしてしまったら

再度同じ失敗を

繰り返さないようにしましょう

その過ちを

「あたりまえだ」「しょうがなかった」とやり過ごしてはいけません

なぜなら その過ちが積み重なっていくことで

耐えがたい苦しみが

生じてしまうからです

 

ひとこと解説

失敗や過ちをおかしてしまったとき、

「あんな状況では、できなくて仕方がなかった」と、無条件にフタをして、失敗や過ちの原因から目を背けてはいませんか?

「こんな自分じゃ、失敗してあたりまえだ」と、自分自身を否定し、責め続けてはいませんか?

 

「自分自身を肯定できない」原因は、「自分自身の能力が低いから」ではありません。

過ちや失敗を省みることを恐れ続けた結果、「条件反射的に自分を責めるようになってしまったこと」が原因です。

 

「失敗した」という経験が積み重なると、「失敗する」という習慣がうまれます。

「失敗する」という習慣が定着すると、「自分は失敗する人間だ」という思い込みがうまれます。

 

これこそが、まぎれもない「自己否定」の正体なのです。

 

「ダメな自分」など、本当はどこにも存在しません。

未消化のままになった「失敗の経験」が積み重なって、自分自身を苦しめているだけです。

積み重なった「失敗の経験」を、自分自身の姿だと勘違いして苦しんでいるだけです。

 

「失敗や過ちそのもの」は、恥ずべきことでも嫌悪することでもありません。

しかし、その「失敗や過ち」の記憶が積み重なることで、苦しみがうまれるのは、まぎれもない事実です。

 

これを読みながら「過去を振り返るのがこわい」「いまさら何をしてもムダなんじゃないか?」といった思いが、頭の中をよぎるかもしれません。

 

しかし、過去の失敗や過ちを振り返る勇気が出ないのは、「勇気が出せないダメな自分」が原因ではありません。

当時の自分にとって辛かった「失敗の記憶」が、「あなた自身を閉じ込めていること」が原因なのです。

 

「過去の過ちや失敗を振り返る」ということは、「ダメな自分」を責めることではありません。

「ダメな自分」という思い込みから、「自分自身を解放するために必要なアクション」です。

まずは、今日一日を振り返ることからはじめてみましょう。そして「ダメな自分」と落ち込んだ瞬間に「失敗の記憶というものは、こうやって自分自身を苦しめるんだ」ということを理解してみましょう。

その客観的な視点が、少しずつあなたの思い込みを解きほぐしていくヒントになっていくでしょう。

 

合掌

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