3分で読む法句経|他者から受けた「傷を癒して前を向く姿勢」はそれだけで評価に値する

他者から傷を受けたときの反応や行動は人それぞれ、だからこそ「傷を癒し前を向く」姿勢はそれだけで評価に値する

翻訳原文

自ら慚(はじ)をもちて

おのれを制し

ひとのそしりを

意とせざること

良き馬の

鞭(むち)を意とせざるがごとき

かくのごときのひと

この世に多くあらんや

(『法句経』143上,友松圓諦訳・講談社学術文庫)

まこと

鞭を受けたる

良き馬のごとく

なんじら

また

専心努力(せんしんぬりき)せよ

(『法句経』143下,友松圓諦訳・講談社学術文庫)

 

現代語訳

自らの大いなる理想に照らし合わせて

自分自身を省み 律し

他者の言動に振り回されない

そのような姿勢はあたかも

素晴らしい馬が

鞭に打たれることを厭わないのと

よく似ています

しかしながら、このような姿勢を貫ける人ばかりではないのが

世の習いです

だからこそ あたかも

鞭に打たれることを厭わない

素晴らしい馬のように

わたしたちは

なお一層 理想に向かって精進しなくてはならないのです

 

ひとこと解説

人生におけるあらゆる決断は、すべて自分自身の責任のもとでおこなわれます。

他者の意見は結局のところ「補足と参考」以上にはなりません。

他者に人生の舵取りを任せることはできませんし、一喜一憂して振り回されてしまうのも考えものです。

 

「他者の意見を鵜吞みにして一喜一憂するのではなく、きちんと内容を論理的に精査し、感情のわだかまりを解消したうえで、必要な意見のみを取り入れる」

これが、自律した人間の基本的な姿勢です。

 

とは言いつつも、「あえて表情や言葉に出さないだけで、他者の中傷に無条件に打ちひしがれてしまう人」は、この世の中に大勢います。

「不用意な一言」に傷ついてしまう繊細な心を持っている人間は、決してマイナーな存在では無いのです。

 

しかしながら、傷を受けたときの反応や行動は人それぞれです。

 

意気消沈して理想への挑戦を諦めてしまったがゆえに、無意識のうちに「理想への挑戦を諦めさせる側」にまわってしまう人もいます。

怒りや悲しみに無理やりフタをして、機敏な感情を鈍らせてしまったがゆえに、無意識のうちに「繊細な心を傷つける側」にまわってしまう人もいます。

 

だからこそ「他者から受けた心の痛みを癒し、自分自身の理想へ向かって進むための糧にする」という姿勢そのものは、それだけで評価に値します。

 

「他者の反応に傷ついてしまう繊細な自分」だからこそ、受けた傷にしっかりと向き合い、なお一層理想に向かって前進しましょう。

その姿こそが「同じく理想に向かおうとする誰か」の背中を押すのです。

 

合掌

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