『般若心経』の現代語版(超訳)―2018年正月ver―

『魔訶般若波羅蜜多心経(まか はんにゃはらみった しんぎょう)』—人知を超えた深大なる智慧の本質を説いた聖典―

「観自在菩薩 行深般若波羅密多時 照見五蘊皆空 度一切苦厄」

まさに解き放たれようとする菩薩(いのち)と、道を求める菩薩(いのち)とが出会い

深大な智慧を行ずるとき

一切が、あらゆる苦しみを超えた境地へと導かれていくことを、目の当たりにいたします。

 

「舎利子 色不異空 空不異色 色即是空 空即是色」

仏となるひとよ

“あなた”は“わたし”そのものであり、“わたし”は“あなた”そのものなのです。

“ほとけ”とは、“わたしたち”であり、“わたしたち”が“ほとけ”なのです。

 

「受想行識 亦復如是 舎利子」

この世に授かった肉体と意識が、幾度となく繰り返されているだけなのです。

それゆえに、わたしたちは“ほとけの御子”なのです。

 

「是諸法空相 不生不滅 不垢不浄 不増不減 是故空中」

万物は、天地の道理に則って、姿かたちを変えつづけます。

どこが“はじまり”で“おわり”なのか、何が“尊く”て“卑しい”のか、どれが“膨張”で“収斂”しているのか、まったく定かではありません。

 

「無色無受想行識 無眼耳鼻舌身意 無色声香味触法」

この世に授かった肉体と意識は、おおもとをたどれば、皆ひとつです。

己の生命も、それを通して知覚するこの世の姿も、皆ひとつです。

 

「無眼界乃至無意識界 無無明亦無無明尽」

わたしたちが、目前にある世界を分別せず、ありのままに捉えると、

光も闇も無い、深淵たる境地が広がります。

 

「乃至無老死 亦無老死尽 無苦集滅道 無智亦無得 以無所得故」

そこには、成長や老化、死や誕生も存在しません。

結合や分離も、それらに関する恐れも、そこから脱する手段も、一切存在しません。

そもそも、誰かが何かを求めたり所有するという概念が、存在しないからです。

 

「菩提薩埵 依般若波羅密多故 心無罣礙 無罣礙故 無有恐怖」

解き放たれようとするいのちよ、道を求めんとするいのちよ

深大なる智慧に身も心もゆだねれば、わたしたちは、あらゆる苦しみを超越し、無垢な心のままに留まるでしょう。

 

「遠離一切顛倒夢想 究境涅槃 三世諸仏」

あらゆる“現象”はすべて、根拠のない思い込みに過ぎません。

完全な静寂こそ、時空を超えた森羅万象、すなわち”真実”です。

 

「依般若波羅密多故 得阿耨多羅三藐三菩提」

深大なる智慧に身も心もゆだねれば、自ずから私たちの為すことすべてが、完全なる静寂の境地へとつながっていくでしょう。

 

「故知般若波羅蜜多 是大神呪 是大明呪 是無上呪 是無等等呪」

だからこそ、深大なる智慧とは、もっとも純粋で、簡潔で、汎用的であり、全ての存在にひらかれた”真実”そのものなのです。

 

「能除一切苦 真実不虚 故説般若波羅蜜多呪 即説呪曰」

あらゆる苦しみをとりのぞき、”真実”は幻想ではない、ということを知らしめる。

そのような、深大なる智慧の言葉は、これから述べるような形をとり、この世に表れます。

 

「“羯諦羯諦 波羅羯諦 波羅僧羯諦 菩提薩婆詞”」

”ぎゃーてい ぎゃーてい はーらーぎゃーてい はらそうぎゃーてい ぼーでぃーそわか”

(※ここは、訳しません。この形だからこそ「”真実”に最も近い智慧の言葉」だと思っているからです。)

 

「般若心経」

これこそが、深大なる智慧に基づく、この世の”本質”です。

 

新年の挨拶

(※これは、記事執筆当時のご挨拶です)

拙訳にお目通しいただき、誠にありがとうございました。

***

新年あけましておめでとうございます。昨年は、並々ならぬ恩恵を賜り、深く御礼申し上げます。2018年もなお一層、仏道修行に励んでまいります。どうぞ、変わらぬお引き立てを、よろしくお願いいたします。

新年の抱負の一環として、2018年の正月三が日をかけて「般若心経」の現代語訳に取り組ませて頂きました。

「この世の”真実”に触れてみたい」と思い立ってから10年。「自分の血肉を通した言葉にしてみたい」と奮起してから3年。筆(パソコンだけど)を手にとってから3日。ありがたいことに、色んなご縁に助けられて、拙いながらも何とか形になりました。僧侶として、ようやくスタート地点に立てた心持ちです。

目に見えないものを目に見えるかたちに変換する喜びと、目に見えるものを目に見えないかたちに変換する喜びの往来を「悪魔のように細心に、天使のように大胆に」修行して、今年もほとけの下で生きる醍醐味を存分に味わって生きていきたいと思います。

末筆ではございますが、ご縁あるみなさま方の益々のご活躍と心の平安を心よりご祈念申し上げます。どうぞ、ご自愛ください。

妙香 拝

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※この超訳作品の文責は妙香にあります。引用の際には、クレジットの明示をお願いいたします。

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